京のギフチョウ その2
2021年 04月 11日
今年は暖かい日が続き、順調に羽化したようです。
この日は前日の雨で地表面の温度が低いのか、カタクリの咲く谷での飛翔はほとんど見られず、代わりに小高い場所に集まる個体を多く見かけました。発生から約一週間で早くもピークを過ぎた感がありましたが、訪花、交尾、産卵、飛翔といろいろな形態の元気なギフチョウの姿を見ることができました。
当地では鹿害も大きいですが、それ以上にイノシシの被害も大きいそうです。ネットに隙間やたるみがあると鹿が侵入するようですが、イノシシはネット内に餌が豊富であることをわかっているようでネットの下から強引に潜り込んで入ってきたりするそうです。鹿と違ってイノシシの場合は地面を掘り起こしてしまうのでカタクリやミヤコアオイの被害が甚大です。当地は保全活動があってこそこの環境は維持できているようです。
擦れた個体も目立つようになりました。鱗粉が無くなった翅にスミレの花や落ち葉の色が透き通って見えます。こんなシーンも個人的にはお気に入りです。
小高い場所には数頭のギフチョウが集まって元気に飛んでいました。
まだきれいな個体も見られました。スミレで吸蜜です。
当地ではアセビがたくさん咲いていますが、アセビへの訪花はまれです。
交尾しているペアも確認できました。
昼を過ぎてようやくカタクリの咲く谷にやってくる個体が見られました。♀のようです。
産卵を始めました。
次世代につなげたいものです。
その後も時折低い位置を飛ぶ姿が見られました。
しばらくして飛び疲れたのか、カタクリで吸蜜です。少し遠目でしたが本日唯一のカタクリでの吸蜜シーンとなりました。
この様に良好な環境に見えていても四季を通じての蜜源が少ないのかマルハナバチのような花粉を運ぶハチは少ないそうです。一筋縄では行かないものなのですね。
2021.04 京都で撮影
by okini_buttefly
| 2021-04-11 01:59
| 蝶